昨夜はスキー場の駐車場で車中泊して、朝に移動して親父指定の場所に車を停める。 ”百合原”は私有地なので本来、車を勝手に停めてはいけない場所である。 ここに蒜山三山を全縦走するハイカーにとって有難いタクシーの電話番号が掲載されていたが、下蒜山登山口まで\3,000は一人では辛いが複数人居ると安いものだ。
急登の尾根道はほぼ真っ直ぐに縦走路に伸びている。
岡山県真庭市蒜山
前日の移動
蒜山高原には3時頃に入る。 登山者はスキー場の広い駐車場を使うことになっているが、暇なので
百合原に車が停められないかチェックに行く。 登山口で親父が作業していたので、この辺に車を停めてよいか聞いてみると『ちゃんと整列しとけば怒られないだろう』との助言を得る。
この親父と喋っていると、現在は72歳で膝を痛めて山歩きはしていないが、かつては年に40〜50山登っており、海外の山にも2回行ったとか。 仕事の暇を見つけては蒜山三座を縦走していたらしい。 この親父のお勧めが大山の南にある
”烏ヶ山”(からすがせん)で、目の前に大山が聳えアルプス感がたっぷりらしい。 只、鳥取大地震で手前の山が崩れたので現在でも登れるかどうかは不明とのことであった。
明日は塩釜冷泉に下山して、道路を歩いて帰る予定なので、車で距離を測りに行ってみると6.2kmあった。 県道歩きで車に戻るのは1時間半の歩きとなりそうだ。
5時50分に ”百合原”を出発して、
鉄線で囲まれた牧草地から杉の植林帯に入って行く。
杉の植林帯が終わると蒜山高原への大展望が広がる。
相変わらずの黄砂で見通しは悪い。
急登の階段が続き、どんどん高度を稼いで行く。
大山の手前に昨日、親父が話ししていた ”烏ヶ山”(からすがせん)が見える。
急峻な山の様で簡単に登れそうにはみえない。
縦走路は背丈の低いササ原なので終始、展望が良い。
1時間25分にて ”上蒜山”(1,202m)に着く。
山頂標識は壊れて地面に落ちていた。
”イワナシ”の小さな綺麗な花が咲いていたが、ここ以外には咲いていなかった。
縦走路途中より ”中蒜山”(1,123m)を見る。
”中蒜山”の手前には残雪があったが、しっかり固まっており
歩くのには支障はなかった。
大山の上には傘雲が広がりだした。
今日は沢山の人が大山に登っていることと思う。
”上蒜山”から ”中蒜山”に縦走して行くとくさり場が3ヶ所に
出てくる。 くさりが必要な程の斜面ではないが、土質が滑り易く、
スリップ防止の意味合いが強いのか。 ここのくさりは1本がやたら
長く、相当な重量だろうし、ここまで運び上げるのが大変だったろう
と思ってしまった。
”中蒜山”への登り途中から ”上蒜山”(1,202m)を振り返り見る。
2時間40分にて ”中蒜山”(1,123m)に着く。
ここも展望は抜群であった。 ここにもハイカーは居らず、
ここまで誰とも会わなかった。
標高差:650m
”避難小屋”の中は綺麗に掃除がされていたが、
多人数が宿泊するには無理がありそうだ。
塩釜冷泉への分岐点で悩む
2時間55分で下山予定の分岐点に着く。 時刻はまだ8時45分、”下蒜山”まで歩く時間はたっぷりあるが、帰りはどうする?、携帯を持っていないので犬挟峠まで縦走してしまうとタクシーも呼べない。 後は
”下蒜山”からここまで引き返すかであるが、
登り返しがどの位あるか判らない。 しばし悩んだ後、先輩は縦走したとのことが頭を過ぎり、引き返し覚悟で ”下蒜山”に行くことにした。 塩釜冷泉で下山する予定でだったので地図はここまでの分しか持っていない、脇道はあるのか?
最鞍部の ”フングリ乢”(フングリたわ)まで下って
来たが下山道は見当たらなかった。
鞍部への下り始めから見ると、そんなに下らなくても行ける様に
見えてしまった。 ところがどんどん下っていき、ほとんど下りて
しまう。 後悔しながらも鞍部に下山路があるかも知れない期待を
持ちながら下って行く。
”フングリ乢”からは長い登りが続くが急登部分は無く、
やたらと距離が長いだけだった。
”カタクリ”は群生していたが ”ショウジョウバカマ”は
2ヶ所で見かけただけだった。
登山道の脇には ”カタクリ”の花が群生していた。
まだまだ続く ”下蒜山”への尾根筋の登山道。
”下蒜山”への登り途中から ”中蒜山”、”上蒜山”、遠く ”大山”を見る。
どこからも大展望であるが黄砂による霞みが酷いのが残念だった。
4時間11分にて最後のピーク ”下蒜山”(1,100m)に着く。
ここも展望は抜群だった。
一等三角点を探す
”上蒜山”の一等三角点は山頂にはないと聞いていたので、三角点に興味は無いが、昨日会った三角点親父のことを思い出して三角点を探しに更に北へ進む。
最初は踏み跡があった道も段々と踏み跡がなくなり薮扱きと残雪になる。 次のピークでササ薮の中を探してみるが見付からず断念して引き返す。 無駄な時間だった。
山頂には3名の高齢者(?)が休憩されていた。 右の御夫婦に ”犬挟峠”への下山路を聞いていると、
左の人が ”犬挟峠”に下りるなら車を置いているので乗せて行くと言ってくれた。
これで長い舗装路歩きの引き返しをしないで済む。
この辺りは ”雲居平”と呼ばれているらしく、本当に広々とした雄大な場所であった。
宮田さんはここからの登りを ”下蒜山”まで行くのは止めようかと思ったらしい。
広島から来られた宮田さんの後に付いて下山する。
御年は62歳らしいが、兎に角、歩くのが遅い人であり車に乗せて
もらうので我慢して喋りながらペースを合わせて下りて行く。
ここまで来て良かったと思うほどのササ原が広がる大景観であった。
自称 ”ゆっくり登山”の宮田さんの車に乗せてもらい、”百合原”
まで送ってもらう。 これで6kmの舗装路歩きをせずに済んだ。
本当に有難う御座いました。
”下蒜山”からの下りは58分掛かってしまった。 自分だけなら半分の時間で
下山出来たと思うが、ここから車まで歩けば更に2時間以上は掛かるので大助かりである。
5時間28分にて ”蒜山三座”を終える。
2006年中国地方の山巡り
04/29 |
|
04/30 |
|
04/30 |
|
05/01 |
三瓶山 |
⇒ |
吾妻山 |
⇒ |
道後山 |
⇒ |
上蒜山 |
帰路、蒜山高原SAから見た ”蒜山三山”。
長い縦走であったが全てのピークから展望が良かった。
かみひるぜん
上蒜山まで:1時間25分
中蒜山まで:2時間40分
下蒜山まで:4時間11分
犬挟峠まで:5時間28分(車に乗せて貰い登山口に戻る)
分岐から ”上蒜山”まではササが生い茂る薮道が続いた。
地面に落ちていた山頂標識は朽ちて読みが難かったが、
どこかの山岳クラブが作った私設のものだった。
2024年4月9日改定
”雲居峠”から駐車場のある ”犬挟峠”(いぬばさりとうげ)
までは後30分の距離となる。